海外赴任・駐在するメリットとデメリット中国赴任経験者がズバリ解説します

日本を離れて海外に赴任すると仕事面や生活面でどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか？今回は海外赴任のメリットとデメリットをまとめたいと思います。

メリット

まずはメリットから見ていきましょう。

言語の習得

海外赴任したら当然現地の言葉で生活&仕事をすることになります。英語圏なら英語は当然必要でしょうし、英語圏ではない国なら現地の言葉もある程度は必要になると思います。日本人を駐在員として派遣するような会社の現地法人であれば、現地メンバーも英語は話せると思うので仕事は英語ができれば何とかなるかもしれません。でも、海外赴任は海外に居住して生活することです。現地の人は現地の言葉で生活していますから、生活の上では現地の言葉も必要になってくると思います。

私の赴任先は中国でしたが、生活圏では英語がほとんど通じなかったので、中国語が必要不可欠でした。現地メンバーの一緒に出張したりすると全く日本人と合わないこともあり、そんな日は1日一回も日本語を話さなかった、ということも少なくありませんでした。

ですから、海外赴任をすると最初は言葉に苦労することもあると思いますが、この苦労を乗り切ったら言葉のスキルが向上すると思います。会社によって語学学校の学費をサポートしてくれるところもあるようです。

仕事のスキルの向上

海外に派遣されるということは、大きな期待と責任を背負って、飛び立つものと思います。日本だと一般の社員でも、現地に行くと、リーダーやマネジメントなど、日本にいたときよりも責任の重いポジションが与えられると思います。また、現地の文化や現地の常識の中で成果を出す必要があるので、日本で成果を出すより、より一層難しい環境になります。しかし、そんな中で試行錯誤をしながら成果を出すために努力していく過程で様々なことが得られます。結果的に仕事のスキルやヒューマンスキルを大きく成長させることができると思います。

待遇

日本の会社に勤めていて、会社命令で海外に派遣される場合には、基本的に日本にいたときより、待遇がとても良くなります。日本にいたときの年収の1.5倍〜2倍になると考えてもらえればと思います。

海外赴任者に付与される給料には主に次のようなものがあります。金額は会社によって異なると思いますが、大手の場合には少なくても日本にいたときと同等かそれ以上の生活水準は担保されそうです。

家賃補助
ハードシップ手当（地域により異なる）
インセンティブ手当
赴任準備のための語学留学
病院代全額補助
一時帰国航空券
子供の学校代補助

人脈

現地でどういう交遊をするかにもよりますが、活発に行動すれば知り合いはとても増えます。現地メンバーはもちろん、現地にいる他社の日本人、同じ会社だけど知らない人が出張に来た時に食事アレンジすることもあるので、社内の人脈も広がります。そして同じ会社の駐在員同士でも仲良くなれます。

ビジネスをする上で人脈はとても重要ですが、海外赴任をすると人脈も広げることができます。

本質的な文化の違いを理解

仕事の仕方、常識、価値観、全然違います。日本の常識＝世界の常識ではありません。頭の中では何となくわかっていても、いざ自分がそういう場に身をおくと、そう簡単に慣れるものではありません。

会議のあり方、電話・メール・ソーシャルメディアの使い方、問題発生時の初動から収束に向けた活動まで、日本とは全然違います。これは海外にいないと経験できない醍醐味で、良い経験になると思います。

普段いけない場所に旅行できる

日本から多くの国に飛行機が就航していますが、就航する都市というのは、ビジネスや観光である程度旅客が確保できる各国の主要都市に限られると思います。

海外駐在するとその国内や周辺の国に簡単に旅行できます。日本からは就航してなくて行きにくい地域でも、その地域の国内線を使えば簡単にいけたりします。

私は中国に駐在していましたが、日本からは就航していない中国の色んな都市や東南アジアを旅行しました。一人でいくこともありましたが、現地の日本人駐在員と一緒に旅行したこともあります。こういった経験ができるのも海外赴任ならではだと思います。

デメリット

海外赴任のメリットを沢山あげましたがデメリットがないわけではありません。ここでは考えられるデメリットについて考えていきたいと思います。

日本の文化を忘れる

私が一番感じたのはこれです。仕事面でも生活面でも帰国したばかりのときには逆カルチャーショックがありました。

仕事面ですが、海外の合理的な仕事の進め方になれてしまっていたので、冗長な仕事が多い日本のワークスタイル（無駄な会議や無駄な周辺業務の多さ、Give&Takeの精神が薄いなど）になかなか馴染めませんでした。生活面でも、例えば、日本人はマナーやルールに厳しいですから、自覚ないうちにルールと違ったことしてしまってないか心配しながら過ごしていました。（エレベーターの右左どちらに立つなど。中国では決まりはなくてどっちに立っても良いです。）

病院

風邪やちょっとした怪我なら現地の病院でもそんなに問題ないと思いますが、ちゃんとした治療が必要な場合はやはり日本の病院がいいと思う人も多いと思います。

海外赴任の場合は会社が保険に入ってくれていて、現地でかかった医療費は全額無料になりますが、それでも日本の薬ではないし、日本の医療行為とは当然異なります。海外の病院がダメと言っているわけではなくて、日本の医療とは異なるということをデメリットとして挙げました。

友人・彼女・家族とすぐに会えない

海外赴任するということは、日本以外の国で生活することですので、日本にいる友人や家族とはなかなか会えなくなります。中国や韓国などアジア圏なら比較的帰国しやすいですが、とはいっても毎週末帰国することなどは稀だと思います。赴任先が欧米ならなおさら頻繁には帰国できないと思います。

メリットのところでも書いたように、海外赴任すると、現地メンバー、現地の日本人、出張者、など、現地側で交流できる人はたくさん増えますが、もともと日本にいる友人や家族とはすぐに会えない状態にはなると思います。

まとめ

さて、今回は、海外赴任のメリットとデメリットについてまとめました。

デメリットももちろんありますが、スキル向上、言語習得、人脈拡大、というビジネスに必要不可欠なものを一気に得ることができて、さらに待遇も良く、現地の色んなところに旅行できたり、日本にいたら経験することができない本当に貴重な経験をすることができます。海外赴任はやはりメリットの方が圧倒的に多いと思います。

海外赴任者が一時帰国したときに受けられるメリットについてもまとめました。