海外赴任中の生活についてどういうイメージ持ってますか?海外赴任をすると給料増えて、お手伝いさんついて、豪華な生活できる、そんな想像をされる方もいるでしょう。
ここでは、これから海外赴任する方、海外赴任を目指している方、そしてそれ以外の方にも、中国に駐在員として4年半住んだ筆者が、海外駐在中の待遇をズバリ紹介します。
項目ごとに一つ一つ解説していきます。会社によって様々あると思いますが、ここでは筆者の経験として紹介しますので、1つの例として参考にして頂ければと思います。
毎月支給されるお金
ベース給
ベース給は日本の基本給と同様、ボーナスや各種手当て、現地所得税、労働組合費などの基準となります。日本側のポジションや現地での役割に応じて計算されます。ベース給だけ見ると、「あれ、そんなに多くないじゃん。」と思うかもしれませんが、駐在員には他にも様々な手当てが支給されます。以下見ていきましょう。
インセンティブ|モビリティプレミアム
会社によってインセンティブとかモビリティプレミアムとか言ったりします。会社から命令を受けて海外に飛ぶわけですから、赴任する社員が困難な環境でも高いモチベーションでミッションに励むための手当てのようなものです。参考までに、筆者の会社ではベース給の20%が、インセンティブとして付加されていました。
家賃
日本では、企業によって、寮や社宅があるところ、家賃補助があるところ、何も補助がないところなど様々だと思います。家賃補助がない企業でも海外赴任中の家賃については、全額会社が負担してくれるところが多いです。赴任先が中国や東南アジアなどであれば、日本では住めないような豪華なタワーマンションに住めることもあります。また、お手伝いさんが来てくれるところもあります。
ハードシップ(危険地)手当て
日本は治安や衛生的にとても優れている国と思います。日本と同じ水準の国は世界中にそんなに多くありません。日本よりも生活にハードシップのある国に渡航する場合に支給される手当てです。金額は着任する国ごとに異なります。筆者の勤める会社では、北米、欧州、韓国、台湾、香港はハードシップ手当てなし、中国だと地区にもよりますが単身で5万円程度、インドだと20万円が支給されます。
物価調整手当て
物価や為替は日々変動します。これまで日本で生活していた水準が保たれるように、物価や為替の調整をして給料に載せて支給されます。
交通費
中国は、道路交通に関するジュネーブ条約に加盟していないため、日本で取得した国際運転免許証で中国国内を運転することは認められておりません。中国で運転する場合は、別途中国の運転免許証を取得する必要があります。また、中国の車の運転はとても荒く、他国に比べてリスクが高いので、駐在員の自動車の運転を禁じている会社もあります。その場合、通勤や生活で交通の不便がないよう交通費が支給されることがあります。
ホームサラリー
海外赴任中は渡航先の国で銀行口座を開設し、現地の通貨で振り込みされます。
海外にいる間も厚生年金保険や住民税(赴任した次の年度の5月まで)など支払う必要あるので、日本側でも給与が支給されます。筆者の場合には社会保険料とあわせてほとんどプラスマイナス0でした。なお、給与天引きで生命保険や個人年金保険など加入している場合、日本側のホームサラリーがマイナス給料となってしまい、逆に日本側の給与口座から引き落としされる場合もあります。
月単位ではなく必要時または定められた時期に支給されるお金
語学研修費用
日本人は学生時代に英語は勉強しますが、それ以外の言語は勉強したことない人も多いと思います。英語圏以外に海外赴任する場合、現地の会社には英語や日本語ができる人もいて、英語さえできれば仕事は何とかなるかもしれません。しかし、生活する上では事情が変わってきます。スーパー、タクシー、ホテル、空港、病院、など生活する上で行く場所は、中国では英語がほとんど伝わらないです。したがって、基本的な中国語ができないと、生活に大変困ると思います。
会社によっては、海外赴任の前に語学留学させたり、早朝の業務開始前や週末などに、会社負担で学校や家庭教師と契約してくれる場合もあります。
一時帰国費用
日本に一時帰国して、日本側の上司と面談したり、人間ドックを受けたり、自分のプライベートの用事をするために、1年に既定回数帰国費用が支給されます。
ボーナス
海外駐在中に支給されるボーナスです。私の会社ではベース給に対して成果を0%〜200%で評価して乗算した値がボーナスとして年1回支給されていました。
赴任手当て・着任手当て・帰任手当て
日本から現地に赴任する時、現地から日本に帰国するとき、当然ですが引越を伴います。引越する際にはいろんなお金がかかると思いますが、それをまかなうための手当てが支給されます。赴任手当ては赴任の準備にかかる費用を補助するため、着任手当ては現地に到着後現地の生活をセットアップするための費用を補助するため、帰任手当ては帰国に伴う費用をまかなうために支給されます。筆者の場合には赴任手当てが30万円、着任手当てが10万円位、帰任手当てが70万円でした。
帰任時一時金
年度の途中で帰任する場合に支給されるボーナスのことです。上記のボーナスの計算結果に対して在籍期間に応じた按分計算がなされて支給額が決定し、帰任時に帰任手当てと併せて支給されます。
医療費
日本では大半の人は医療費は3割負担していると思います。海外赴任の場合には会社が保険に入っている場合が多く、私の会社では、中国国内で受ける医療費は無料(歯医者のみ一部自己負担あり)でした。なので、薬など気軽に手に入るのでとても助かりました。でも、日本で治療したい場合もあり、その時は日本に一時帰国したときに日本の病院に行っていました。
単身赴任・家族帯同に関連するお金
単身赴任手当て
家族を日本に残して単身で駐在する場合には、単身赴任手当が出ます。
教育費
家族帯同で海外赴任をする際、子供が学校に通う年齢の場合には、インターや日本人学校に行くことになると思います。その学費の一部を会社が負担してくれるところもあるようです。
まとめ
いかがでしたか?今回は、海外赴任した際の給料・待遇についてまとめました。勤めている企業や行く国にもよると思いますが、日本にいるときよりは大分余裕のある生活ができていたと思います。海外赴任の良さはもちろんお金だけではありませんが、どれくらいのお金がもらえるのか、どんな生活ができるのかを知ることはとても重要なことと思います。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。